いつまで経っても、過去の武勇伝しか語らない(いや、語れない)人間がいる。
しかもその武勇伝は、自分の業績ではない。
そいつの上役や、そいつを支える部下があってこその業績。
それをあくまで自分の手柄のように語る人間がいる。
どういう心境なのだろうか。 過去の栄光しか語れない、哀れな人間である。

心が悶々とする時は、「エスプレッソ」に限る。
エスプレッソとは、エスプレッソマシンで加圧し、短時間で一気に抽出したコーヒーのこと。
圧力をかけ、すばやく抽出する様子から「エクスプレス(急行)」が転じて
「エスプレッソ」と呼ばれるようになった。
高い圧力をかけることで、コーヒー豆本来の旨味だけが抽出され、芳醇で奥深いコクを存分に楽しめる。
エスプレッソの上層部にある、きめ細かく滑らかな黄金の泡は「クレマ」と呼ばれる。
エスプレッソをクレマ諸共一息に飲み干せば、粟立った心が凪いでいく。
後味の苦味が消えるころには悶々も霧消しているというものだ。
1杯目:エスプレッソコーヒー
使用資機材
豆 :堀口珈琲 「#9 DENSE&TRANQUIL イタリアンロースト」
機材 :DeLonghi 「ECAM22112B」
カップ:百田暁生 「有田焼 百田暁生 漆黒 エスプレッソ」
手順
1. 豆を挽く
淹れる直前に必要量だけ挽くのが理想。
エスプレッソ用の粉は細かければ細かいほど濃く仕上がる。
コーヒー豆を店で購入し挽きまでやってもらうときには「エスプレッソ用に細かく」と伝えるとよい。
豆の量は6g~10g、好みの量を見つけるとよい。
2. ドーシング:ホルダーに粉を落とす
常に一定量の粉を、落とした粉が綺麗な円錐状になるようホルダーの中心に落とす。
3. タンピング:粉の表面を平らにプレスする
圧力が均等にかかる様にタンパーを用い、ホルダーに盛った粉を平らに押し固める。
この時粉の表面が水平になっていないと低い方に湯が流れ、十分に抽出されない。
粉の密度にばらつきがあると、密度の低いところにお湯が集まり、これもまた十分に抽出されない。
4. 抽出
エスプレッソマシンにホルダーをセットし、抽出する。
セットの際にマシンにホルダーをぶつけたりすると折角綺麗に押し固めた粉が浮いたり傾いたりして
圧力が均一にかからなくなってしまう為、丁寧に取り付ける。

このろくでもない世界で人々を癒している至福の一杯。
それはそいつが武勇伝を語らなければ、飲まなかった一杯。